3×5と5×3はどちらが簡単?

小学2年生でかけ算を習うのですが、巷では文章問題に対し、3×5が正しい、5×3は間違いだ、といった議論が話題になっています。

単位をそろえればいい話ではあるのですが、2年生では単位についてもまだまだ先の話です。○○一つあたり□□はいくつあって、○○がいくつあるから、□□×○○になる、という教え方になるでしょう。
で、ちょっと頭が働く子は、かけ算では数字を入れ替えても同じ答えになる、ということに気づきます。
かけ算では九九を暗記すると思いますが、数字を入れ替えても答えは同じ、ということに気づくと、覚える量が少なくてすみます。
また、計算するときに、簡単な方から計算するようになります。
九九のなかで最も簡単なのは1の段です。
次にやさしいのは2の段でしょう、その次は5の段だと思います。
3の段ではありません。
3の段の後半は難しいです。3七=21 ぐらいから怪しくなります。
それに比べ、5の段は簡単です。1の位が0→5→0→5と二つしかないからです。

さて、計算するとき、簡単な計算方法を選ぶのはセンスがいいでしょう。
式を立てるとき、3×5とするより5×3とした方が簡単なので、5×3にしたのかもしれません。それはそれでいいセンスをしているように思います。

一方、文章問題は、試験範囲は何なのか、問題の中に含まれている数字は?というアプローチで立式が可能です。
「1皿あたり3個のみかんが乗っています。全部で5皿ありました。みかんはいくつでしょう?」
という問題では出てくる数字は1、3、5の三つです。1×では同じことなので使う数字は3と5だろう、だから式は3×5だ、としても答えは同じ。正解になります。
しかしこれではかけ算を、しいては比例などの将来の重要な概念を理解できないままになってしまいます。

文章題から式を3×5ではなく5×3にしたら×にする採点は、生徒の躓きの目を取り除くための一つの手段でしょう。答案を返すにあたり、生徒に「答えはあってるけど式の立て方についてどうしてこうしたのかな?先生に説明して」といった指導が必要でしょう。