事業仕分けとか政府のデフレ発表とか、株価の低迷とか、不景気な話が多いと思うこのごろですが、面白い視点でコラムを書いているChikirinさんのブログ。
国より先に潰れるもの
国が潰れる、と言うのはどういうことなのでしょうか?
財政破綻した夕張市にしても夕張市はのこっています。潰れているというのが夕張市そのものがなくなることであるなら、まだ夕張市は破綻していません。
財政的には地方財政再建促進特別措置法を使い、再建しようと活動しています。
夕張市と言う土地は残っているし、そこに住民がいる以上、そこにコミュニティは残り続けるでしょう。夕張市が他の市に統合されるということはあるかもしれませんが。
それでは国家としてはどうでしょう。国家とは何かというと次の条件を満たすものといえます。つまり、
1.土地
2.国民
3.政府
4.外交窓口
日本が本当に潰れるとするなら、そこは別の国家が取って代わることになります。
日本史や世界史を見れば分かるように、国家においても発生と消滅があります。今の日本は徳川幕府が大政奉還し、天皇に政権が移り、明治政府が樹立して成立しました。上記でいうなら政府と外交窓口が変化したというものです。その後、第2次世界大戦で敗北して、新しく憲法を制定し政府が作りかえられました。そう考えると、日本は国家成立からたかだか65年です。国際的に見ても、それまでは「大日本帝国」であり、「日本国」に変わったのは1946年7月6日です。
財政にしても、国内で流通している通貨は政府が発行している単なる紙切れと金属の塊にすぎません。それらは政府の信用により、通貨として流通できているものです。流通している貨幣の製造年を見ると、すべて昭和20年より新しいです。10円玉なら昭和26年が最古ですし。それ以前の貨幣は通貨としては流通せず、古銭として収集家の間での取引となります。
日本の財政が悪いといっても、お金の話であれば、政府はまずデノミを行うとか貨幣の切り替え(円を廃止し、新しい貨幣を発行する。さらに円立ての借金は無効とするなど)を行うなどで再建を図るでしょう。
財政の悪化とともに表れるのが治安の悪化です。
本当に日本が潰れるとしたら、そこに至る道筋の中には内戦状態というのがあるでしょう。日本が潰れるならその後の政府を樹立してやろう、という人たちが出てきておかしくありません。あるいは日本の中に独立国家のようなグループを作り、政府をやっつけてしまう、ということも。
日本の中に新たな独立国家を作る、というのは荒唐無稽ですが、考えると面白いかもしれませんね。
歴史を見れば、数十年とか百数十年で国家がなくなることはよくあることです。国家があろうが無かろうが、そこに土地があり、人が住んでいることはなくならないのですから。