高級料理屋はなぜ量が少ないのか。

1食に1万円を超すような料理屋さんにはほとんど行く機会はないのですが、たまにそういうところで食べると、量の少なさに驚きます。

経験を積めば驚くことでもないのですが、考えてみると、量を減らすことが高級料理屋なりのサービスの一環なのだと気づきました。
味の追求は当然として、料理屋のサービスの基本は食事です。
食事の第一義は食欲を満たすことであり、最も根源的なことはお腹いっぱい食べる、ということでしょう。
とはいえ、一回の食事で食べられる量は、個人差はありますが、決まっています。
すると、次に来る欲求は何か、というと、たくさんの種類を食べたい、ということではないでしょうか。
そのためには一つ一つの皿に盛る量を減らさないといけません。

多くの種類の料理を用意する、ということは、それだけ料理人の技術を使うことになります。

料理屋のサービスは料理であり、料理人の技術をいかにお客に示すか、ということでもあるでしょう。そのためにもたくさんの種類の料理を提供することが望ましい。

量の全く足りない食事は満足には遠いところにありますが、量がありすぎて食べきれず、箸をつけられない皿があったら、それもまた不満につながります。

なので高級料理屋は一品一品が少ないのではないかと。

とここまで書いて、ビュッフェ形式はどうなんだろう? と気づいてしまいました。
ビュッフェ形式はとる方が好き勝手に量を選べて、それなりの種類の食事が選べます。そう考えるととてもいい方式ですが、ビュッフェはいまいち高級感に欠けます。
自分で取りにいかなければいけないという点がサービスに欠けるからでしょうか。

高級料理屋で高級食材を使っていて味もおいしいのでしょうけど、値段相応に味付けがおいしいか、というとそうでもないし、やっぱり高級料理屋の価格はぼったくりなのかな。