最も新しい遺跡?

明治?昭和?大学構内に便所の遺構 「堆積物」調査へ(朝日新聞) - goo ニュース

遺構というのは、遺跡の中でも動かせないもの(住居跡、貝塚、など)のもの。石器や土器のような動かせるものは遺物と呼ぶ。

奈良市の奈良教育大学の大学構内で水洗便所の遺構が見つかった、ということなのだが、遺跡と呼ぶには新しすぎるのではないか、と疑問になった。
ウキペディアによると、こういった近現代の生活跡を「近現代の遺跡」としているとのこと。建築史とか生活史などで明治から昭和初期(要は第二次大戦前)の頃の生活跡というのは学術的にも重要な資料となるらしい。

奈良教育大学は120周年になるそうだけど、件の遺跡は戦後、旧陸軍が使っていた施設(旧陸軍聯隊跡将校集会所)の土地や建物を譲り受けて大学の施設としたのだろう。今日は、一般公開した模様。

第二次大戦から60年以上たっているし、戦後の高度成長が始まってそれ以前のいろいろなものが取り壊された。資料も残っているものが少なく、こうして遺跡になっているわけだ。
それほど古くないのに、という思いもあるけど、昭和初期も既に歴史のかなたになってしまったのか、という感慨も覚えてしまったニュースでした。