その番組は見ませんでしたが。

テレビ番組の中には「ドキュメンタリー」というのがありますが、どのようなものだと考えていますか?

対象と成る人物やグループに密着取材して、そこで見つかった人間ドラマを紹介する番組?
確かに、ドキュメンタリーとは、「記録映像」ともいわれ、文学におけるノンフィクションに相当する、とウィキペディアに書いています。「取材対象に演出を加えることなくありのままに記録」とも書かれています。

しかし現実は違います。「ありのまま」に記録されたものを切り貼りして順番を入れ替え、企画者・演出家の都合の良いように編集され、それは「事実を記録」というには程遠いものとなっているのです。

信子かあさんの大家族日記
10人の子どもを持つ大家族ですが、時々、テレビで紹介されてますね。今回、特集番組で、中国雑技団の女の子のホームステイ先としてこの大家族が選ばれ、この女の子がどういう生活を送ったか、ということを番組としたそうです。番組自体は2007年に放送したものみたいです。
私はその番組を見ませんでしたが、テレビを見ての話と事実は全く違うようです。つまり、演出があり、台本があり、1週間なら1週間、カメラを回し、欲しい映像を取るために出演者を騙して行動させていたのです。これだけ見ると「雑技団の女の子が主人公の世界ウルルン滞在記」と同じですね。実際、ウルルン滞在記も同じ用に演出していたでしょう。

ちなみにこの番組は、「世界びっくり人間!ニッポン(珍)滞在記」です。番組の企画は吉田豪、演出は佐藤恭矢、プロデューサーは富安いたる。

この人たちに限らず、テレビ番組では企画があり、撮影をし、編集をして放送するのですが、企画というのはどういう結末になるのかまで決まっており(いくつかパターンを考えているかもしれませんが)、その結末になるように必要な画像を取る、というのが撮影です。ドキュメンタリーも「企画」があるので、それはすでに「ドキュメント」ではないのです。

今私は横のテレビで「世界、ふしぎ発見」を見ていますが、これも当然、演出があり、どういう映像が欲しいかは前もって決まっていて、その映像や「それではここでクエスチョンです」の答えの映像などを前もって用意しているわけです。
クイズ番組でドキュメント的な部分は少ないですが、それでも現地のスタッフや出演者にはくどいように「こういう台詞を言え」と命令しているのです。

もし、テレビに出るようなことがあっても、「それは自分の発言ではあるが、自分が発言したかったものではない」というようなことをどこか(ブログとかね)で公表しておくのがいいかもしれませんね。