新聞記事として失格です。

消費者庁が出来た頃、こんにゃくゼリーでの死亡事故がありました。
食べ物をのどに詰まらせて重症に陥ってしまうことは、時々聞く話です。消費者庁は救急で運ばれた窒息事故を調べ、分析結果をまとめたとのことです。

こんにゃくゼリーの窒息、重症率85% 消費者庁分析

タイトルからして、85%の重症率というところで恣意的なところを感じます。ゼリーで85%なら餅ならどうなの?飴ならどうなの? という疑問がでます。
しかしこの疑問も、85%が妥当であろう、との前提があります。この記事によると、窒息原因のわかっている2414件のうち、こんにゃく入りゼリーによるものが7件。餅は406件、飴は256件です。で、7件のうち、重症2件と重篤(命の危険がある)4件で6件が重症以上ということです。7件のうち6件なので、約85.7%ということです。
数値だけ見るとその通りですが、統計として扱うには件数が少なすぎます。全く当てにできません。7件が母数であれば、そのうちの件数など、ちょっとしたことで動くものです。今回はたまたま6件が重症以上ですが、3件のこともあるでしょう。こういった誤差は、件数が少なければ少ないほど大きくなります。大まかには母数のルート(この場合だったら√7)と考えると概算できます。√7であれば、約2.64。つまり2~3件の誤差を含んでいるのです。4件に対して±3件だと最低1件最大7件ですから85%という数値が全く当てにならないことがわかります。

2414件のうち、7件だけがこんにゃく入りゼリーですから、このゼリーの安全性が餅や飴に比べ非常に高いことがわかります。

この記事に限らず、パーセントで数字を出している記事は当てにならないことが多いです。新聞などのマスコミは第4の権力などといわれることがありますが、記事について信頼していいかどうかを判断する別な機関が必要ですね。