読了「キリスト教音楽への招待」

キリスト教音楽への招待―聖なる空間に響く音楽
佐々木 しのぶ,佐々木 悠
教文館

久しぶりに本を読めました。讃美歌をボーカロイドに歌わせて動画にしているので、教会音楽関連の本は興味があります。帯に「教会音楽の歴史をコンパクトに解説」とあるのでちょっと期待していたのですが、情報量としては期待はずれ。大学の教養課程で音楽史授業の内容をまとめたような感じです。音楽史としてははなはだ不十分で入門以前の段階ですが、教会音楽に特化しているのだから仕方ないでしょう。一方、教会音楽としてみると、聖書の中の詩を取り上げたり、グレゴリオ聖歌、宗教改革とルターによるコラールの発生、19世紀、20世紀の讃美歌と話をすすめていて入門としてまとまっているといえます。ただ、讃美歌の歴史としてはちょっとしか書かれておらず、イギリス・アメリカの讃美歌運動であるとか、明治の音楽教育と讃美歌との関係とか、全く触れていないのは残念。オルガンの解説とか会堂建築についての解説とかはその代わり充実しています。ヨーロッパ旅行で教会めぐりをすることがあれば役に立つことでしょう。

教会音楽史的なものを期待していたので、その部分は全く情報量として物足りなかったですが、まぁ持っておくべき本かな、とは思いました。

教会音楽史の本が欲しいな。