「東大生の論理」を読んだ

東大生の論理― 「理性」をめぐる教室
高橋 昌一郎
筑摩書房
「理性の限界」「知性の限界」で論理について面白い本を書いてくれる人というイメージがあったので、この本も本屋で見つけて買いました。最近は本を読む時間が取れなくて買ってから結構時間が経ってしまいましたが。
 この本は題にあるように東大で1年間の論理学の講義をしたことについての備忘録といったようなものに思えます。論理学は考えることについてのツールであり、とても面白いものです。当然頭のいい東大生にとっても興味深い授業だったようです。その授業の内容の一部を本で読むことができるのは幸せといえます。
 ただ、何でも男女関係に持っていっているような感じが拭えません。20前後の男女が相手の講義で、男女交際を扱うのは興味の持って行きかたの一つの方法でしょうけど、鼻につきました。東大生でも恋愛する普通の人なんだよ、ということを暗に読者に伝えたかったのかもしれませんけど。知的好奇心をくすぐり、わくわくする感覚というのが「理性の限界」「知性の限界」にはあったのですが、本書ではありませんでした。読みやすさは変わらないので、時間つぶし的に読むにはいい本だと思います。