放射性物質の中心距離との考え

ニュースなどで放射線の量の単位、シーベルトをつかって放射線量が増えた、減った、と一喜一憂している日々ですが、シーベルト毎時なのか単なるシーベルトなのかで大きな違いです。
NHKをはじめ、「毎時」を省略していたりして、おかしいと指摘されています。
人体に影響がある量として1シーベルトというのがありますが、これは累計でそれだけの量を浴びると危ないという量です。
一方、シーベルト毎時というのは1時間当たりにどれだけの放射線量になるか、ということです。1時間その強さの放射線を浴びていると、たとえば400ミリシーベルトになる、といった具合です。

放射線はガイガーカウンターなどの測定器がありますが放射性物質(たとえばヨウ素131とかセシウム137とか)そのものを測るものではありません。
放射線の量を測り、放射線量が多い、ということは近くに放射線を放出する物質がある、ということです。
福島原発の爆発事故で放射線物質がばら撒かれました。
穴が開いたので、原発のその場所で放射された放射線はとても強いものですが、距離をとるととたんに減衰します。
放射性物質は物質であり、空気中の埃などと一緒に漂います。

予防で埃を払いましょう、というのは放射性物質を取り除きましょう、ということなのですね。
ところで、上着をビニール袋に入れても放射性物質が放射線を放出したら、アルファ線ならビニールでも防御できるかもしれませんが、ベータ線ガンマ線中性子線などは防御できませんね。強い放射線を計測された服などは早く除染しないといけないです。

ところで放射線量の強さは距離の二乗で小さくなるというのは2倍の距離になったら、放射性物質の量が4分の1になる、ということですね。これはつぎのようなことでしょう。

中心から同心円で放射性物質が広がるとしたら、放射性物質の量は距離を半径とする球の表面積に対する密度と同じです。半径1kmの距離なら球の表面積は4πk㎡で、たとえば4シーべルトだとすると半径2kmの距離では球の表面積は16πk㎡になります。4シーべルト分の放射性物質が16πk㎡にひろがるわけなので、密度は4分の1になります。同じ面積に対しては4分の1の量に放射線物質が減少するので放射線も4分の1になる、ということですね。

同じ放射線が距離が倍になったら強さが4分の1になる、ということではなく、放射線を出す放射性物質の量が4分の1になるので、放射線の強さ自体が4分の1になる、ということですね。