講義のシラバスと実際

今日は、ふとしたことから大学で音楽を教えている先生の音楽概論の公開しているシラバスを見ることが出来ました。

面白そうな内容です。
(1)音と音組織
(2)形式とジャンル
(3)様式(スタイル)
という分類です。適うなら潜り込んで授業を聞きたいですね。

ところで、私はバロック時代の曲をよく吹くわけですが、そこに直結するのは(3)様式のなかの「時代様式と演奏」という部分です。このシラバスでは全14回の講義での13回目に当たります。バロック時代の演奏方法は特殊な部分があって、別に習わないと音大を出ている音楽教室の先生であっても全く知らないという人もいます。バロック時代の演奏方法の一つ一つとはいえないまでも、ある程度のことは知っているべきだろうと思っていましたが、その「ある程度」というのはこのシラバスにあるような「音楽概論」の中で話される程度のことと思います。
しかし、こういった話は音楽概論の中でも後ろの方にあって、現実としてなかなか話されないのではないかと思いました。というのも自分が学生の頃の講義を思い出すと、最初の授業で授業計画を聞くのですが、すべて授業計画が終わったためしが無かった気がします。結局7~8割程度までで、さらにある部分は先生が「授業が足りなくてここまでになってしまったけど、まだ先はあります。興味のある人は私のとこまで来てください」というような課外授業となり、ほとんどの学生はその先について学ぼうとはしないのではないでしょうか。

じゃぁ、シラバスの内容を今の8割程度にすれば終わるか、というと終わらないでしょう。実際にはそれぞれの1回の授業で教えたい内容も削りに削っているわけで、今の量でまとめているから何とか8割まで終わらせられることが出来ているように思います。さらに削ったらまた教えられる量が減ってしまうでしょう。

大学の「○○概論」あるいは「○○通論」というのはその学問の入り口ですが、一般教養として面白いものです。社会人になってから学びたくなるのは誰しも同じようで、もったいない話なのですけどね。