裁判員制度の黙秘義務の弊害かなぁ

裁判員制度がが始まってから、それなりに裁判員裁判が行われました。
裁判の後に裁判員の記者会見がありますが、この記事の質問はなかなかいいところを突いている、と思います。

裁判員裁判:「意見が反映されない」 4人「もうやりたくない」 地裁浜松支部で会見

記者からの質問は「また裁判員をやってみたいか」というもの。4人の記者会見に出席した裁判員のうち3人はやりたいとは思わない、というものらしいです。

裁判員たちの評議の内容は守秘義務があり、話せないことになっています。これが逆に評議の中で裁判官がどういう評議の進め方をしたか、ということをうやむやにしているようです。
今回の裁判員裁判で、28才の裁判員は意見が聞かれず、単に裁判につき合わされただけだ、と感じたようです。

裁判員制度は、犯罪に対する判決のありようもですが、裁判官の働きぶりを市民の視点から評価するものでもあるはずです。裁判員裁判で裁判員の意見が聞かれないとしたら、裁判員制度の意味が激減します。

ニュース記事の中で、
「裁判官から『法律で決められているので』と説明されてしまうので、何も言えない」
という発言がありました。裁判官がそう言うのであればそうなのでしょうけど、どの法律の何条が基になっているのか、説明義務があるでしょう。裁判所なのだから当然六法全書が常備しているはずで、裁判員の評議の中で、法律の文面を確認することが必要でしょう。

あとこれは私の希望ですが、裁判員となった人たちに、裁判官の評価をして欲しいです。裁判の中身については守秘義務がありますけど、裁判官に対する私的な評価と言うものは発言しても自由でしょう。

そうして、裁判員による裁判官評価をまとめて一覧できるようになると、世論としての裁判所に対する影響力が出てくると思います。

裁判所は、三権分立により独立性が保証されていますが、この三権の上に国民の主権というものがあるのですから。主権を持つ国民の意見は国会や政府だけでなく、裁判所にも影響を与えられなければいけないと思います。