どんな音だったのでしょう

音楽史という研究は、曖昧模糊としていて、研究者の想像の域を出ていないのではないか、と思われます。
それも仕方の無いことで、音楽は残しておくことができませんでした。
今では音を記録しておくことができますが、それも近代以降の話であって、それ以前は楽譜として残っています。その楽譜も古くても中世のころまでです。
音楽は師匠から弟子に連綿と伝えられていたわけですが、全く同じ音楽なのか、というとそうは言えないわけで、過去の音楽は想像するしかないわけです。
それでも重要な発見として昔の楽器というものがあります。
バロック音楽は近代に起こった楽器製作方法の改革により、一旦途絶えてしまいました。それでも現在バロック音楽が聴けるのは当時の楽器が現存しており、その楽器を使うことで当時の音そのものは再現できるからです。演奏方法については当時の文献を手がかりにして、こういう演奏だろう、という演奏方法があるだけで、それが本当かどうかは分かりませんが、当時の模範的演奏とは言えなくても、答辞に演奏されたかもしれない演奏方法であろう、とは考えることができます。
楽器はとても重要な音楽史のアイテムです。
その昔の楽器ですが、今回、最古と思われる楽器が発見されました。
骨製フルート、人類最古の楽器と判明
最も最初の楽器がフルートだったかどうかは不明です。
というのも弦楽器だと弦が腐るので、楽器かどうか判別しかねるからです。太鼓もそうで、毛皮の膜は腐り、残るのは共鳴部分だけです。そうするとたたくと響くことは分かるけど、当時に本当にそれを叩いて打楽器として使っていたかどうか、は分からない。その点、笛であれば、空気の通り道と指で押さえる穴があれば、楽器であろう、と推定できます。見つかった楽器の複製で演奏会が開かれたそうですが、「アメージング・グレース」を演奏したそうです。
音程が合うとは思えないので変な感じだろうな、と思いますがそうした音程が当時の音楽の特徴なのかもしれません。あるいは今の音楽とも共通点が見つかって面白いかもしれませんね。