「フルートの肖像」

日本には有田正弘氏というトラベルソの大家がいて、有田門下の人たちが日本のトラベルソ界を牽引している。
著者の前田りり子さんは有田門下の弟子のなかでも特に活発に活動している人でしょう。大学で講師もしているし、東京の「ダ・カーポ」という楽器屋さんでトラベルソを教えています。有田先生の次の世代を担う人でしょう。
その前田女史がそのフルートの歴史知識をまとめたのが本書「フルートの肖像」東京書籍 です。
何かの楽器をやる人にとって、その楽器の歴史を知ることは興味のあることです。
フルートとトラベルソを趣味にしている私にとって、本書はフルートの歴史を知る格好の本です。
実際のところ、本書が出版されるまでは前田先生のホームページで読むことができました。 本として出版されるのでWEBの方は閉鎖されてしまいましたが、手元におくことができるので、まぁ、良しとしましょう。
内容は満足のいくものです。もし、フルートを吹くのなら買っておいて損は無いでしょう。
本書の中で、昔の名フルーティスト、ブラヴェの話がありますが彼は楽器を左に構えていたそうです。
ためしに左に構えて吹いてみたら、聞こえ方が全く違うし、右と左が逆なのでこんがらがりますが、なかなか楽しい体験です。
そういえば女子12楽坊の笛吹きも左右別々に構えてますね。

フルートの構え方が右になったのはキーをつけるようになってからのようです。
左効きの演奏家が同じくらいいたら、左右対称に配置して面白い効果がありそうです。