曲の終わり

録音技術がでてきてから生まれた曲の終わり方だと思うのが、フェード・アウトである。

具体的に初めてフェードアウトを使った曲が何なのか、とか云われると困るし、ちゃんとした根拠がないのだけれど、クラシックの曲にフェードアウトする曲はなさそうだ。フェードアウトは、レコードによる音楽流通方式が始まってからの作曲技法に思える。

しかし技法としていかがなものか、とも思う。リフレインを延々と繰り返し、単に音量を小さくすることで音楽を終わらせる。
私には曲がきちんと終わっているようには感じない。
音楽は時間芸術であって、始まりと終わりがあることで音楽のある時間と無い時間を区切ら無ければならないのでは、と思う。
単に音量を減らすだけであり、曲の構成として何も終わりの無いフェードアウトという技法は、作曲家が曲の終わり方を放棄しているようにも思う。

まぁ、いやらしいほどに続くリフレインによって何かしらの永遠性みたいなものを表現したいとも云えるので、フェードアウトが絶対に悪い、とまでは言わないが。

まぁ、終わりがはっきりしている方が気分がいいというだけの問題かもしれないけどね。