読書中-「バロック音楽 歴史的背景と演奏習慣」

バロック音楽 歴史的背景と演奏習慣
アントニー・バートン
音楽之友社

B5版の書籍なので結構大きいです。中身はまだ半分くらいまでしか読んでいませんが、バロック音楽に携わる人なら必携といえる本だと思います。
バロックの演奏習慣については、たとえば「ビブラートはしない」「チェンバロでは親指を使わない」など現在の演奏法との違いを大げさに表現していたところがありましたが、この本ではそれを修正し、古楽研究の成果が現われているようです。
古楽演奏には唯一の「正しい」演奏というものはなく、演奏者の良識(いわゆる「良い趣味」です)に任されること、その中でも「間違った」演奏方法はあるので、その指摘は本書でなされています。
楽器のタイプごと(鍵盤、弦、管、歌唱)の章構成で、各章ではそれぞれのプロフェッショナルによる演奏方法の解説があります。自分の楽器のところは特に有用ですが他の楽器における演奏習慣を知っておくことは、アンサンブルをする上で益となるでしょう。