ネットで解答を得ようとすること。

京大の携帯電話でネットから解答を得たカンニングの問題ですが、利用者を特定できたようですね。
ネットのQ&Aなど、本当に匿名なところというのはあまりないので、今回のように特定されるものです。
数学とか英語とかをYahoo!の知恵袋で質問したそうですが、英語はGoogleかどこかの翻訳サイトを使ったものでおかしな英語だ、というのがすぐに広まったのですが、数学に関しても、先ほどニュースを見ていたら間違っていたそうです。

試験中にネットを使って解答を得ようとする行為は、独創的だ、という人たちもいますけど、間違った解答を入手しても意味がない話。
社会にでて必要なのは問題解決能力であって、方法はどうでもいい。だからネットで解決方法を入手したっていいじゃないか。今回のカンニングした人だって解決能力はあるんだから合格させてもいいじゃないか、という意見もありましたが、間違った解答では意味がありませんね。

ネットの格言に「嘘を嘘と見抜けないようでは掲示板を利用するのは難しい」というのがあるそうですが、今回もそのとおりで、Q&Aサイトなどで回答を入手してもそれは正答とは限らないわけです。合っているかどうかは、実際に試すなどしないと分からないでしょう。Q&Aサイトで入手できるのは解答に至るヒントであって、今回のように解答をまるまる欲しい、という行為は意味が薄いのです。ネットを利用するにはそれなりの基本的な能力が必要ということです。今回のカンニングした人は、その能力がなかった。「こういう人こそ合格させるべき」という人も、ネット時代の本当に必要な能力を見誤っていますね。

ネットは良くも悪くも情報の坩堝であり、漉し器を持って灰汁を取らなければ有用な情報を選別できないのです。そして選別するための漉し器というのは論理的思考能力であったり、基礎情報の蓄積であったりするわけです。大学入試で求められるのはそういった能力なのだから、ネット利用のカンニングで入学できたとしてもそれ以降もネットに依存するようでは使い物にならない人材になりかねません。

今回の受験生も、自分で解答できそうもないからカンニングしたのでしょうから、もう一年がんばって勉強して、実力で合格をめざせばいいでしょう。