演奏が先か視聴が先か

趣味は音楽です、というような場合、3つのパターンがあるかと思います。
1、CDや演奏会など、人の演奏を聞くのが趣味
2、自分で歌う、演奏する、というのが趣味
3、音楽を作り出す(作曲)のが趣味

当然ながら、2も3も1の「聞く」ことは趣味にしているでしょう。他人の演奏や他人の曲を聴くことはとても刺激的ですから。

私はトラヴェルソを趣味で吹くわけですが、次にどの曲を吹こうか、ということは私自身で決めます。音楽教室などだと、先生がそれぞれの技量に応じてちょっと難易度の高い曲を候補にするのでしょうけど、私は自分で次の曲を決めています。
そうすると、最初の内は自分の知っている曲を選ぶのですが、そのうち、曲がなくなります。定期的にCDを購入しているのならいいのでしょうけど、楽譜も用意する、CDも用意する、となると大変です。
そういうわけで、私は楽譜だけから曲を選ぶようになりました。
トラヴェルソはバロック時代の楽器ですから、17世紀から18世紀の音楽で、フルート用あるいは同じ音域の楽器(ヴァイオリンなど)のために書かれた音楽を選べばいいです。
今やっているのはマッテゾンという人のソナタです。ヴァイオリン(またはフルート)のための12のソナタという曲集をIMSLPで見つけて、ぱらぱらと楽譜をみてやってみよう、と決めました。師匠に「次はこれで」と連絡したら「その中のどれをやるの?」と聞かれて、今選択中です。

このマッテゾンのソナタですが、私は聞いたことがありません。もし、人前で演奏するようなことになれば、演奏方法の参考としてCDを購入するでしょうけど、今のところこの曲で人前で演奏するという予定はないので、CDを買うこともないでしょう。
むしろ、CDなど買わないほうがいいのかもしれない、とも考えています。絶対というわけではありませんが、18世紀当時の人たちは、演奏とは教会とか宮廷とか辻楽師とかの演奏を聞いていたわけで、自分の楽器を持ち、演奏を趣味としている人たちは曲を聴いてからその楽譜を入手して演奏しよう、というより、楽譜を購入して、あるいは知り合いの人から楽譜を借りて写譜し、自分のものとしていたでしょう。
たとえばテレマンの音楽は出版前に予約注文を受けていました。購入する人たちは、有名なテレマンが曲集を出すから購入しておこう、ということでしょう。
そして楽譜を入手したら、自前のリコーダーやトラヴェルソで演奏して楽しんだはずです。
それならば、CDをとにかく購入し、手当たりしだいに聞きまくって自分が演奏したい曲を選ぶのではなく、楽譜から、作曲者の名前から、演奏する曲を選ぶのが自然なのではないかな、と思うわけです。

今は大体知らない曲を調性で選んで吹いているわけですが、自分で吹いて「お、なかなかいい曲じゃないか。この旋律線は面白いな。」とかといった感想を持ちます。

今取り組んでいるマッテゾンですが、師匠のレッスンは大体1時間なので2曲選ぼうと思っています。9番がよさげなので9番ともうひとつどうしようかな。