感染症は倒せない

もしかしたら日本で感染例が無いままに収束するんじゃないだろうか、と期待していた人は多かったかもしれませんが、そうはいきませんでした。
新型インフル国内初確認…カナダ帰りの大阪の高校生ら3人

インフルエンザは毎年流行予想をたてて、ワクチン接種のサービスが行われています。数千円でしょうか。インフルエンザに限らず、いろいろなワクチンを我々はうけます。ポリオ、破傷風、百日せき、水疱瘡、などなど。小学校のころ、ワクチン注射があって、泣いてしまった人も多いのでは?
海外旅行に行くときも、地域によってはワクチン接種が義務付けられています。黄熱病とかコレラとか。
ワクチンの話として、天然痘が必ず出てきます。
曰く、人類が勝利した感染症の代表として。

しかし天然痘のほかに、人類が勝利した感染症はあるのでしょうか?
一部の地域で、ポリオが排除されたところはあります。ポリオは天然痘についで、根絶の可能性のあるウイルスです。しかし根絶の可能性があるのに、達成されていません。

なぜか。

国際社会になったからです。モノが世界中で流通し、その流れは止められず病原菌やウイルスも根絶ができないのです。ポリオに関してであれば、根絶は可能です。ポリオワクチンの有効性に疑いは無く、発症例もマネージメントできるはずの数です(全世界で年間発症例が数百件から2千件程度)。

今回のインフルエンザは、ワクチンができていないため、ウイルスを持っている患者や疑いのある人たちを隔離して、感染が広がらないようにする必要がありました。 しかし発症してから感染が分かるのでは潜伏期間による感染拡大を防ぐことはできません。

ワクチンは非常に有効ですが、確実に人類全員が接種できるような仕組みができなければ、天然痘のような人類の完全勝利、ということは不可能だろうということを今回のニュースで思わされました。