chipttuneライブ感想

タイフェスティバルからの帰り道、横浜運河パークで、リングドームが設置されていて、coova,Saitone,quarta330 らがパフォーマンスライブを行っていました。無料で見られたので、それぞれ約30分ごとのパフォーマンスを見てきました。

ゲームボーイファミコンが出す音を使って、音楽を作り出すパフォーマンス。ミニマルミュージックといっていいんじゃないかな。
パフォーマンスとしてはちょっと観客には不満。演奏しているんだけど、プログラムが出している音楽ではなく、ライブであることをわからせるような仕組みが欲しい。たとえば使っているゲームボーイの画面を出すとか、演奏家の上から撮影して演奏風景を写すとかして、ゲームボーイで演奏している、というのをわかりやすくして欲しい。あと外で、一般向けに演奏するのだから、「ファミコンゲームボーイの音で曲を作ります」だけじゃなくて、どういう風に音を出すのかの説明が欲しいかったです。 たとえば、フルートカルテットの演奏会で、フルートカルテットをはじめて聴く人を相手にする場合、演奏に先立ってそれぞれの楽器の音を聞かせることがあります。ピッコロはこう、あるとフルートはこう、バスフルートはこう、という具合に。ゲームボーイで音をだす(専用のソフトを作ったみたいですね)のだから演奏に先立って、「こんな風に音を出します」ということをして見せて欲しかった。

曲は規則的なベースライン/リズムラインにゲームボーイで音を加えていくというもので、2小節とか4小節の繰り返しとその変奏という感じ。
はじめの人(quarta330さん?)のは2曲目ぐらいから聴けたのだけど(曲の始まり、終わりがはっきりしない、音が消えて、別のリズムで始まったので曲が変わったのだろうと思うけど、曲が終わったのなら終わったで、わかるようにして欲しい)、同じパターンの繰り返しに音色を変えるだけで1回聞いたら飽きるかな、というもの。
2組目はthe Huntersさん。3人組が本当らしいけど、今日は二人でのパフォーマンス。5~6分ぐらいでそれぞれの曲をまとめていて、聴きやすかったです。テンポが変えているだけで4拍子ばっかりなのはリズムの呪縛から離れられないためでしょうか。4曲目だったかな、4小節のメロディーを使ってまとめた曲は面白かったけど、音を変えるだけじゃなくて、和声の展開が欲しいですね。対旋律にしてもパターンが少ないです。和声が変化しない、というのが特徴なのかもしれないですけど、単調に聞こえます。なんというか、曲全体を通してのドラマがありません。
最後の人は、saitoneさん。
30分音を鳴らしっぱなしでした。途中、ゲーム機の取替えに手間取っていましたけど、同じ旋律の繰り返しだから音楽が途切れることはありません。曲としてこれは変だな、と思いましたけど。30分の曲にまとめたのは尊敬できます。最後のほうでは拍子を変えて、3拍子になっていたし。早い3拍子なので、1拍子といってもいいぐらいでしたけど。 30分にまとめた、と書きましたけど、曲として削るところは削らないといけないと思われました。無駄に長い。これだけ長いのに、曲の変化に乏しく、削って3分の1ぐらにしたほうが曲としてのまとまりがつくだろうと思われました。
ミニマルミュージックと先に書きましたけど、テクノの流れにある音楽でしょうから、とにかく踊り続けられるようにする、のが第一の目的なのかもしれません。そうであるなら、曲としての起伏は必要ないし、単にテンポを刻み、それなりに音色を変え、決まった短いメロディを続ける事が望まれるのでしょう。

テクノライブに行く事はないから、こういう風に生でテクノを聞くことができたのはいい経験だったかな。