「人に言えない仕事はなぜ儲かるか」

「人に言えない仕事はなぜ儲かるか」門倉貴史著 角川oneテーマ21

要は節税しましょう、ということが書かれているわけだが、本書の中にある「支出税」については考える必要がある。
本書の流れは「儲けている人たちは節税・脱税している。」→所得税はアンダーグラウンドな収入に対しきちんと税収がなされていない。不公平感のない税収にはアンダーグラウンドな収入のひとたちからも税金を取らねばならない→支出税が有効だ。
である。
支出税自体はとっぴなものではなく、過去にインドとスリランカで導入しようとしたということだが、運用方法が難しく、数年で破棄されたらしい。

運用の問題が解消できれば、支出税の導入は大いにありうると思われる。

しかし支出税は貯めておくと税収にならない。お金は使ってこそ価値があるものだといえるが、「お金を貯めたい」という欲求にたいし、「お金を貯めるほど節税できる」となれば消費欲が減少すると思われる。消費欲がすくなくなれば経済発展は鈍る。また、一時的な支出をしなくなるため、ローンが増加する。お金を借りれば借りるほど税金が安くなる。 お金の流通が変なことになるとおもうのだが、この辺については門倉氏は言及していない。

うん、なかなか面白い本ではあったな。