歴史に名を残す

人類が言葉を発明し、もろもろの出来事を記述して記録を残せるようになってから、たくさんの人の名前が記憶されてきた。
世界史を彩るひとびと、科学史を彩る天才たち、芸術史に名を残した芸術家・・・。
それとは別に、世界の人口推移とエネルギー問題について学校で話を聞いたことがある。
そのときに驚いたのは急激な人口増である。
一方で、統計的には人類は変わっていないと思う。天才の出る率だ。
例えば100万人に一人というような天才。

しかしちょっと考えてみよう。昔、産業革命が起きる前は、世界の人口はほんの数億人であった。ちょっと世界史を紐解けば、ギリシャのヘレニズムの頃から産業革命までのおよそ2千年の間に、数百から数千人の歴史上の重要人物がいる。
しかしその2千年間ののべ人口は、現在の世界人口と変わらないか、もっと少ないのではないかと思う。ここで数えられる人口は、成人した人たちである。成人になれなかった人たちは非常に多いだろうから。

100万人に一人のような天才は、産業革命以前に生きていたら、まずほとんどが歴史にその名を刻むであろう。
現代では100万人に一人の天才など、何人もいる。そして歴史に名を残せるかどうかは微妙だ。
100年後の歴史で、19世紀から21世紀の偉人たちが何人生まれるであろうか?

現代の天才は、過去の天才の何倍も天才なのだと思う。
ミケランジェロと同じようなひとはきっと現代には何百人もいる。
しかし名前はミケランジェロほど有名にはなれないだろう。

歴史は天才には不公平だと思う。