考えることについてのメモ3

私は知り合いに目の見えない人がいる。
彼は物心ついたころから目が見えないので、私のように目の見えるひととは感覚が違う。
彼にちょっとスキーマについて聞いたのだが、「聴覚だけでなく、他の感覚もつかって感じるんだ」というようなことを教えてくれた。

耳が聞こえないという感覚は、ヘッドフォンで音を流し続けて外界からの音声を遮断することにより疑似体験できるだろう。実際に耳が聞こえないのではないが、無意識に行っている外界からの音声情報分析を行うことが不可能ならば、外界に対して耳が聞こえない状態といえるだろう。目が見えない感覚はもっと簡単で、目をつぶればいい。これは簡単だし、想像もしやすい。
目が見えない状態を想像すると、いろいろ不思議がある。

朝、目が覚めるとはどういう感覚か?
天井とは何か?
雨とは?雲とは?
大きいとはどういうこと?
色とはなに?

こう考えると、全く同じ日本語をしゃべっているにもかかわらず、目の見えない人が考えていることは、全く理解できない様に思う。しかし目の見えない人と普通に会話ができる。スキーマに共通部分が多いということだろう。
目の見えない人たちのスキーマは目の見える私よりずっと本質を突いていると思う。