曲を聴く

今でこそそれなりにCDを持っており、毎日のように音楽を
(通勤中にではあるが)聴いているが、高校生まではほとんど
プロの演奏を聴いていなかった。唯一聴いていたのはフルート
レッスンの先生の演奏。

そのころは、プロの演奏はあまり聞かないほうがいいだろうと
おもっていた。今でも、初心者はその楽器のプロの演奏を聞く
のは悪い影響もあると思う。若く、感受性の鋭い時期にプロの
演奏は刺激が強すぎることがある。それはそのプロの演奏のよ
うになりたい、という願望が生じることである。楽器演奏の上
達にはいいかもしれない。しかし演奏は人の演奏をコピーする
のではなく、作曲者が作った曲を演奏するのである。目標にす
る具体的演奏があるのはいいことだと思うが、一面、楽曲理解
がおろそかになる。 そのようなことを考えていた。

演奏に感激するのではなく、演奏を通して、楽曲へのアプローチ
方法を知ることが「曲を聴く」ことであろう。